法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ひろがるスカイ!プリキュア』第30話 ひろがる海!ビーチパラダイス!

 聖あげはの運転するハスラーに乗って、ソラ・ハレワタールは初めて海にやってきた。周囲に泳ぎを教わりながら、少しずつ海を楽しんでいくが……


 別シリーズもふくめ、かつてこの放送枠では水着描写が敬遠されていたことが嘘のような水着回。しかし過去シリーズから活躍するベテランの村山功脚本、佐々木憲世演出で完成度は高い。
 湖しか知らず泳ぐこともできず、湖底を歩いて移動していたような異世界の少女をとおして、泳げるまでのドラマが展開される。それも海をこえるべき壁とは位置づけず、あくまでレクリエーションとして海を楽しむ一環として描いていく。
 これは性的に見られづらく着たくなるデザインの水着が普及したおかげでもあるだろう。ボディラインを出すのは成年女性の上半身と少年だけで、女性は下半身のほとんどをパレオでおおい、少年は全身をおおう水着で肌はさらさない。
 敵幹部ミノトンが同じ海にきた偶然は物語の都合にすぎないが、ソラ・ハレワタールの驚きで印象づけた浮き輪を怪物化することで、海上の浮き輪ならではのアクションが展開されたことは感心した。特にキュアスカイが怪物の空気をぬいてからの作画がダイナミックで目を引く*1。空気を抜いても完全な逆転はできず、むしろ策士策に溺れそうになったキュアスカイを前半のドラマにおける課題と助言が助ける展開で、物語全体のまとまりも良かった。


 しかし、既存の幹部が健在なまま新たな幹部が登場するらしい次回予告は謎。バッタモンダーも明確に退場していないし、このアニメの敵組織の方向性がよくわからない。

*1:原画でそれらしい名前は鷲北恭太か。