法的な規制だけでなく媒体の萎縮なども表現の自由への攻撃になるのであれば、『異世界転生者殺し チートスレイヤー』を除外することは難しい、といった議論があった。
チートスレイヤー、みんなしばらくは連載が続くんだろうという前提で批判してたら1話で逝ってしまった、という案件なので、とにもかくにも版元が貧弱なのが悪いと思う
— ぺんでゅらむ@大阪 (@pendulumknock) 2022年7月19日
チートスレイヤー、みんなしばらくは連載が続くんだろうという前提で批判してたら1話で逝ってしまった、という案件なので、とにもかくにも版元が貧弱なのが悪いと思う
それはそれとして損切りが早かったのは商売的にはベストな選択肢だったと思うので、資本主義はこうなー
— ぺんでゅらむ@大阪 (@pendulumknock) 2022年7月19日
それはそれとして損切りが早かったのは商売的にはベストな選択肢だったと思うので、資本主義はこうなー
『叩いてたけど打ち切りになってほしかったわけではない』だとしたら、これ最近非難されてた表現規制派の言い草となんも変わらん気はするのだよな……。結局みんなキャンセルカルチャーは批判するけど、自分のキャンセルしたい表現は叩くし、それで表現が撤回されたら『そんなつもりでは』と言うのかな
— あきひろ (@Werth) 2022年7月19日
『叩いてたけど打ち切りになってほしかったわけではない』だとしたら、これ最近非難されてた表現規制派の言い草となんも変わらん気はするのだよな……。結局みんなキャンセルカルチャーは批判するけど、自分のキャンセルしたい表現は叩くし、それで表現が撤回されたら『そんなつもりでは』と言うのかな
まあでもそれ散々disられてた『社会的合意』と何が違うんやって話でもあるよな。要するにヘゲモニー争いなのかもしれないけど。どんな表現がキャンセルされるべきで、どんな表現がキャンセルされるべきでないかの。アストラギウス銀河を二分するギルガメスとバララントの陣営は互いに軍を形(以下略)
— あきひろ (@Werth) 2022年7月19日
まあでもそれ散々disられてた『社会的合意』と何が違うんやって話でもあるよな。要するにヘゲモニー争いなのかもしれないけど。どんな表現がキャンセルされるべきで、どんな表現がキャンセルされるべきでないかの。アストラギウス銀河を二分するギルガメスとバララントの陣営は互いに軍を形(以下略)
「儲からない」*1という判断で打ち切られること自体は「資本主義」だとして、打ち切りを決定できる権力と批判をうけいれる責任が編集と作者に分割されているところが難しい。
せめて掲載を決定した編集部は予想される反発に対して作者を守るべきだったのでは、ということを話題になった当時にエントリのコメント欄で書いたが、今でも印象は変わらない。
いろいろ話題の『異世界転生者殺し チートスレイヤー』だが、その枠組みもまた異世界転生パターンなことが興味深い - 法華狼の日記
不謹慎ネタなのだから編集部は覚悟をもってやりきるべきだし、折れるならせめて原作と作画へのフォローをおこなうべきだと思いましたね。
それはさておき、議論の本題とは独立して、作品が批判をあびたポイントを物語として意味をもたせる「ひつじはね@RAMHANE」氏の展開案は興味深く読めた。
まさかの一話での連載終了、超速すぎて流れてくる情報だけでは理解不能だったので理解する為にあの号を購入してしまったレベルだった。第一話で切られたが故に『こういう意味だったらあー…ってなった』というのをしばらく考えてしまった。 https://t.co/Ny4QpDtgTI
— ひつじはね (@RAMHANE) 2022年7月19日まあ具体的には『転生前の姿を知っている』にパロディの意図を組み込んで『転生した上で、自分の好きな作品を真似るように生きて、それでいて簡単に我欲に転がった者たち』とかそういう設定のつもりだったんではないかとか、漫画を綺麗に続けていく上での設定妄想したわけだが。
— ひつじはね (@RAMHANE) 2022年7月19日だから転生ものではない作品のパロディすら露骨に混ざっている。と、これが『あの手の漫画を読者が愉しく読めるだろう設計』として妥当じゃないかなって考えたわけだよ私は。一話で終わったけど。
— ひつじはね (@RAMHANE) 2022年7月19日
まさかの一話での連載終了、超速すぎて流れてくる情報だけでは理解不能だったので理解する為にあの号を購入してしまったレベルだった。第一話で切られたが故に『こういう意味だったらあー…ってなった』というのをしばらく考えてしまった。
まあ具体的には『転生前の姿を知っている』にパロディの意図を組み込んで『転生した上で、自分の好きな作品を真似るように生きて、それでいて簡単に我欲に転がった者たち』とかそういう設定のつもりだったんではないかとか、漫画を綺麗に続けていく上での設定妄想したわけだが。
だから転生ものではない作品のパロディすら露骨に混ざっている。と、これが『あの手の漫画を読者が愉しく読めるだろう設計』として妥当じゃないかなって考えたわけだよ私は。一話で終わったけど。
そもそもが「異世界転生?はっ!現世の自分への諦めが透けて見えるわwww」とか小馬鹿にしつつネタだけ知ってるような奴があの世界観の転生者の一部だったりしたら、あんなクソムーヴするだろうしな。異世界転生っていったらこうだろ(超ステレオタイプな思い込みによる発言)
— ひつじはね (@RAMHANE) 2022年7月19日
そもそもが「異世界転生?はっ!現世の自分への諦めが透けて見えるわwww」とか小馬鹿にしつつネタだけ知ってるような奴があの世界観の転生者の一部だったりしたら、あんなクソムーヴするだろうしな。異世界転生っていったらこうだろ(超ステレオタイプな思い込みによる発言)
もちろん実際に上記のような展開であった可能性は低いとは思う。原作者の漫画はいくつか読んでいるが、たいてい舞台設定はゲームをするための設定としてわりきっていて、その舞台が誕生した経緯などには滅多に踏みこまない。
「ひつじはね@RAMHANE」氏の展開案が注目されても、同時期に不評だった漫画『タイムパラドクスゴーストライター』が魅力的な展開案を読者が語りあったことで実際の展開の期待外れぶりを強調してしまったことと同じ結果になっただけかもしれない。
とはいえ原作者の他作品は、基本的に絶対的な強者は最大の敵として配置され、現場で戦うプレイヤーは敵も味方も傲慢にふるまっては増長から足をすくわれて負けることを交互にくりかえし、シンプルなゲームの先行きを見えづらくしている。さすがに『異世界転生者殺し チートスレイヤー』も1話の魔女に誘導されるまま主人公が復讐を達成していくだけの展開にはならなかっただろう。
また、原作者が少年ジャンプ+で連載をはじめた『幕末賭博バルバロイ』は、現状で最大の敵が一種の転生者である可能性をにおわせていることも気にかかる。あるいは媒体を変えてしきりなおし、特に不評だったパロディ部分を排したリベンジ作品なのかもしれない。
shonenjumpplus.com
*1:「社会的合意」と同時期に日本共産党が表現規制派としてあつかわれた根拠のひとつ。 hokke-ookami.hatenablog.com