本編はジャイアンの横暴二本立て。
ED前にドラえもんが映画公開の延期を告知。ED映像とミニチュア制作コーナーは続行しているものの、ドラガオじゃんけんが通常版にもどった。
「鬼は外ビーンズ」は、スネ夫が下手な釈明をしたことで、ジャイアンが歌の練習を骨川家でおこなうことに。それを救うため、ドラえもんとのび太が秘密道具をもちこむ……
2012年に大野木寛脚本でアニメ化*1した短編を、伊藤公志脚本でリメイク。節分という季節ネタでもある。
蕎麦屋の出前自転車が何度も通りがかる描写は、途中まで人間がいきなり登場することに驚くだけの役割と思っていたが、見ながら予告映像で見たジャイアンの鬼化につながることを思い出した。伏線のきいた良いアニメオリジナル描写だが、だからこそ予告で明かさないほうが驚きが増しただろうという惜しさも感じた。
しかし道路で「鬼は外」が普通なら通用しないという描写に、ふと排外主義のはびこる現代社会なら地域や日本から排除される展開にされかねないな、という懸念を感じた。もちろん今回は原作どおりのオチで映像化されたが。
「家がロボットになった」は、のび太がジャイアンに留守番を押しつけられ、しずちゃんも留守番しながら約束の勉強会をひらく。そこでドラえもんが剛田家をロボット化すると……
2010年に映像化*2した原作を、清水東脚本と氏家友和コンテでリメイク。設置した秘密道具が端末のように表情を見せるアレンジは好みではないが、全体的に良好なアニメ化。前回は和解で終わったが、今回は原作以上に家が怒って終わる。
原作以上にさまざまな小物が手描き作画で自動的に動く描写が楽しい。スネ夫が賞賛するフレッシュなミックスジュースも、きちんとした作画で果物の皮がむかれていくから説得力がある。
しかし、さすがにTVは強制地デジでハイビジョン化しているのに、エアコンはなくて石油ストーブだけで、ラジオも古めかしいタイプ。その家の古さはオチを強調しているからいいとして、原作どおりに英語教材の押し売りが登場するのは時代錯誤感がさすがにあった。
思えばのび太が約束どおりに源家に行かず、探さないと見つからない展開は、子供も携帯電話をもつことが当然の現代では成立しづらい。たぶん今の幼い視聴者は、ちょっとレトロな作品としてこの作品を楽しんでいそうな気がする。