法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『わんだふるぷりきゅあ!』第42話 みんなのおうちのワンダフル!

 アニマルタウンの町長から猫屋敷父へ、町民に配布する恒例の動物写真カレンダーのカメラマンになるよう依頼があった。町で生きる動物たちを撮影できるよう、娘のいろはや友人たちは猫屋敷父をつれてアニマルタウンをめぐっていく……


 赤尾でこ脚本、篠原花奈演出、松浦仁美作画監督原画マンは多めで、多種多様な動物を登場させながら画面はたもっていた。
 動物カメラマンの仕事には適度なリアルなディテールがあった。一瞬を撮影するためにテントをはって待ちつづけるし、あくまで写真は素材なので一瞬に賭けず連写する。被写体と目線をあわせたり、煽った構図にする演出意図を言語化する。動物の動きにあわせて身体をたおしながら撮影する姿をストロボ効果で表現した天丼ギャグも楽しかった。多数の写真からカレンダーのため選ぶ基準として、人と動物が笑顔で接しているというわかりやすいテーマを子供たちが思いついたところも良い。
 しかしプリキュアとしての戦いはストーリーから乖離している。人と動物の関係について問いただすどころか、主人公たちが写真を見て楽しんでいるところに疎外感をおぼえた敵の気持ちが救われることすらない*1。ガオガオーン化するシマウマもテーマとの関係が語られないし、そもそもシマウマの特徴が戦いに反映されない。今回はアニマルタウンで飼育されているさまざまな動物が登場したのだから、テーマとかかわりある動物をストーリーで自然な流れでガオガオーン化させやすそうなのに。

*1:念のため、これまでと同じようにプリキュアとの戦いが楽しんで去っていくが、今回のドラマとむすびついた救いはないということ。