Aパートは友人の釣り自慢に困らされたパパをのび太達が助けようとする話。脚本は『新・のび太と鉄人兵団』を担当する予定の清水東。私の記憶だと『ドラえもん』では初参加。中盤のコメディ描写を大幅に足して尺を埋めるというオーソドックスなアニメ化。どちらかというと、海底から輝く海面を見上げたり、海中の様々な生物を描いたりと、映像の方がよくできていたと思う*1。
Bパートの脚本は小林英造。家全体へ意思を持たせる秘密道具が使用される物語で、のび太は珍しくひどい目にあわず、しずちゃんとの勉強を楽しく終わらせる。そのまま原作では悪いジャイアンが家から罰を受けるという自業自得な結末となったが、アニメではジャイアンと家が和解するまでオリジナル展開が描かれる。ジャイアンが友人宅を訪れては断られ*2、家に戻っても庭先で我慢比べし、仲直りするまでの紆余曲折をていねいに描いており、無理に感動話を繋げたという違和感は少ない。ジャイアンの様子をのび太が心配する姿を同セリフ同ポジで描き、心情や時間の変化を静かに描いている演出も効果的。
ABパートともにコンテ演出は三宅綱太郎、作画監督は鈴木まりあ。演出は上述したように良かったし、作画もソツがない。
それにしても、今回の短編は両方とも巨大ロボットが活躍する内容である。まさかとは思うが、『新・のび太と鉄人兵団』の宣伝なのだろうか。