法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』鬼は外ビーンズ/しずかちゃんさようなら

原作者生前には単行本未収録だった短編と、リニューアル直後にもアニメ化されている人気短編の二本立て。


Aパートは……うん、これは単行本収録を見送るわ、と思ってしまうダジャレオチ。藤子F作品の事態収拾って、時に信じられないくらいひどい。
いや、原作を読んでいるから筋は知っているから怒っているわけではない。節分よろしくビーンズを当てた対象を外へ瞬間移動させる道具を使い、ジャイアンを追い出したり逆に逃げたりする途中経過も楽しい。だが、いくらなんでもダジャレ以外の伏線は必要。
アニメを見ていると、部屋にばらまかれたままのビーンズを使って何か展開して、オリジナルのオチをつけられそうだとも思ったが。


Bパートは、しずちゃんと結婚すると幸せにさせてあげられないと思いつめたのび太が、関係を断ち切った上に嫌われようと奔走する。
前回のアニメ化では、内服薬型の秘密道具を塗布薬型に改変した上、のび太が自殺をはかっていると勘違いする展開もマイルドな誤解に変更された。リニューアル直後はリニューアル前より原作に近くしていたため、改悪という印象がより強くなった。演出や作画は良かったのだが。
今回はほぼ原作通り。のび太が自殺をはかっているという誤解は原作を踏襲している分だけ、登場人物の切迫感には感情移入しやすく、全体として好印象。だが、秘密道具は体にふりかける薬に変更したまま。内服型の秘密道具も何度か登場するようになっているのに、なぜここだけ自主規制を続けているのだろう。
映像面では、スカートをめくられても怒る余裕がなく、顔を真っ赤にして涙を浮かべているしずちゃんの表情が大変よろしかった。
http://ceron.jp/url/blog.livedoor.jp/nicovip2ch/archives/1743554.html
インターネットでも萌えるという感想が散見されるくらい話題になっているが、これは物語展開から導かれた必然的な表情作画でもある。普段なら即座に「ギッタギタ」にするところ、しずちゃんのび太が見当違いなりに本気になっていると感づいているのだ。
あと、俯瞰カットが目立つと思ったら、今回も善総一郎コンテだった*1