法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドキドキ!プリキュア』第28話 胸がドキドキ!亜久里の夏休み!

脚本は米村正二。キュアエース個人をほりさげつつ他のプリキュアと仲を深めるだけの、夏季恒例の箸休め回かと思わせて、そうではない。
幸福の王子について言及があったり、レジーナとの関係をマナが回想したり、ジコチュー化の経緯が描かれたり、印象的なのに放置されていた様々な要素をひろいなおす。これまで散発的に描かれていた要素が凝縮されていて、満足度が高かった。
それと同時に、単発回としてもそつがない。キュアエースが同世代の少女と親交を深めつつ、正体を隠して守る変身少女物らしい展開が楽しめた。先に逃げていてと指示するのではなく、目を閉じて待っていてと願うところが、より深い少女同士の結びつきを感じさせる。


越智一裕コンテに高橋晃作画監督が合わさることで、映像もさえわたる。作画の整いかたとしては今作で随一と感じた。
日常風景の演出では、光と影を使った映像表現がいい。木漏れ日がキャラクターにさしこんだり、夜の縁日をそぞろあるく姿が印象的。アクション面では『プリキュア』シリーズとしては珍しく、怪獣映画のような構図が多く、ジコチューの巨大感が表現されていた。