法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドキドキ!プリキュア』第40話 とどけたい思い!まこぴー新曲発表!

〜「あ、これマクロス7で見たやつだ!」〜


シリーズ構成の山口亮太による脚本。かつて仲良くなりかけた敵幹部の少女レジーナが前回に復活。それで今回は何をするかと思えば、異世界から人間界へ来てアイドルをやっているキュアソードが、新曲を歌って思いをとどけようとする。
そんなことやっている場合なのかと思いつつ視聴したが、やりたいこととやれることについて序盤で悩む描写があり、それなりに新曲を出すための心情と状況を整え、さらにクライマックスでもなぜ歌しかないのかまで描いていたから、意外と納得感があった。ひとりの心情と行動を主軸にし、当面の目的をはっきりさせているから、違和感なく展開を追いやすい。
そのような行為に意味があるのかとキュアエースが指摘していることも、物語を見やすくしている。登場してからしばらく精神論で既存のプリキュアを導いていたキュアエースが、今回になって逆転の立場におかれている状況も面白い。他のプリキュアも心を動かされる展開になっているから、最終的にプリキュア全員の強化がなされても、キュアソードが動かしたドラマという根本は変わらない。


田中裕太演出と赤田信人作画監督による仕事も良かった。映像面で良かった第33話*1と同じコンビ。ひさしぶりに大田和寛も原画として参加している。
この作品らしくアクションに物語の力点を置いていないが、作画と演出が良かったからアクションそのものも楽しめた。
できるかぎりレジーナと戦わず、ただまっすぐに歌いつづけるキュアソードの周囲を、他のプリキュアやジコチューが戦うカットの格好良さは、アクションを重視しないアクションアニメならでは。そしてバンクではない変身シーンにつなげた流れも、その作画演出もすばらしかった。