感想を見て回るとエグザイル同士の決戦が描写されなかったという不満が散見されたが、全てが終わった後の虚しい光景で視聴者の想像に託す演出だからこそ良いのだ。
雪が降り続ける黒々とした廃墟という情景は、会話劇を支えるだけの情感が充分にあった。
さほど奇矯な設定ではないキャラクターが多数登場しながら、それぞれの区別が見ているだけで可能で、異なる立場や意図が衝突しながら戦いの前提条件をひっくりかえす群像劇も面白い。
ただ正義感や復讐心によって階級の高い軍人が反乱を起こすわけでもない。派閥抗争が背景にあることが示唆されたり、力を集めていく過程も描かれたりしているので、作中の軍事組織がちゃんと抗うべき厚みと重みがあると感じさせる。
