法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダムAGE』第14話 悲しみの閃光

あまりの適当さに日野脚本かと思えば、兵頭脚本だった……惹かれあう男女が戦場で望まぬ再会をはたし、一方が死ぬという展開で、どうしてここまで雑に作れるのだろう。
最低でも、MSに乗せられたユリンがそのまま逃げ出さない理由の説明は必要だ。せめて、逃げ出すと自爆するようになっているとか、家族が人質にとられているとか、洗脳されたとか、薄いなりにも理由は作ることができるはず。
遠隔兵器を動かすための「道具」というなら、そもそもMSを自由に操縦させる意味はないのだから、デシルが乗っているMSに拘束する設定でも良かった。作中描写を見る限り、「Xラウンダー」の能力を他人が勝手に引き出すことは可能だから、展開に問題ないはず。フリットにとって人質をとられた苦しみも増す。遠隔兵器を操作して自分が乗せられているMSを攻撃すれば、そのまま問題なく自己犠牲描写にも繋げられる。
ララァ・スンのオマージュイベントを映像で再現することばかり最優先して、あいまいな説明台詞だけで適当に殺したようにしか見えない。


クローズアップとロングショットを切りかえて画面を縦横にMSがかけめぐる酒井和男コンテ、大塚健メカ作画監督といったアニメーターの奮闘*1、破壊されたり凶悪に描かれたり多面的なガンダム描写といった映像面の良さはあった。
映像だけをながめていたら楽しめて、それだけでも良かったとはいえる。しかし、どうしようもなく基礎が説明不足なために、ハリボテに感じさせられてしまったことも事実。もったいない!

*1:原画に西田亜沙子や冨田与四一など。