新ED主題歌は前回で固定ではなかったのか。
序盤から、とあるキャラクターの真実が明かされる。放送当時の感想を読むと、MtFレズビアンではないかとか様々な憶測が飛んでいるが、物語上の重要度としてはどうなのだろう。性的マイノリティ自体はアニメ作品で珍しくないし、ジェンダーバイアスからの解放を描いていく作りとも今のところは感じられない*1。
どちらかといえば、物語を構成するほとんどが画面から消えている「姉」をめぐる因果だ、という真相開示として受けとった。そう考えると作品全体の構図がはっきりする。
主人公周りの話に戻すと、前回が綺麗にまとめすぎていて引きこまれなかった分、今回前半の空回りに感情移入できた。罪悪感を口にしながら、実際には相手へ罪悪感を押しつけている少年の幼さが、痛々しくて実にいい。
前回までが嘘のような少女のぶりっ子台詞も笑えたが、キャラクターに芯が通っているからこそ変化がギャグになる。破局後に意図的な演技だったことが明示され、ほほえましさからせつなさへ印象が移り変わっていく流れも自然だ。
先述したキャラクターの真相も、過去回で名無しキャラクターとの関係描写から、意外性を出しつつ腑に落ちるものとなっている。
話数をかけてキャラクターを積み上げるとはこういうこと。少なくとも1クール目は無駄ではなかった。