法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ルパン三世 東方見聞録〜アナザーページ〜』

脚本も演出も作画も『LUPIN the Third -峰不二子という女-』に遠く及ばなかった。
今年のTVSPは、ここ数年と違って、作画の魅力あるパートすら皆無だった。止め絵で逃げた場面こそないものの、まんべんなく見どころがない。そもそもアクションの物量が少なかった。
ちなみに、キャラクターデザインと総作画監督は『名探偵コナン』の須藤昌朋がつとめており、序盤は良い意味で癖のないデザインかとも思った。しかし、鼻筋の凹凸を強調した絵柄や、中盤から女性キャラクターの目が離れている作画などで、『名探偵コナン』を作画してきた手癖が強く感じられるようになり、最終的な印象は良くなかった。


物語も散漫で見どころがない。敵が小物というだけでなく、あっさりクライマックス直前で倒れ、それから延々と真相の解明描写が続く。ほとんど『名探偵コナン』の劇場版と同じ構成で、『ルパン三世』らしい描写が例年よりも少なかった。
真相解明自体も、次から次へ主人公のもとへ手がかりが集まってくるだけで、巧妙な伏線や意外な繋がりの楽しみはない。
せめて良かった探しをすると、父を殺したとヒロインに疑われたルパン三世が、ICPOと称してごまかし続けたところが悪くなかったことくらい。その勘違いコメディを主軸にすれば、まだしも楽しめたかもしれない。