法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『トランスフォーマー・リベンジ』

マイケル・ベイ監督自身は、前作を依頼された当初はロボットなんて子供っぽいと忌避したらしいが、本人の資質には最もふさわしい題材だったと思える。
アルマゲドン』では科学考証や展開の粗で失笑をかったが、異文明の機械生物という巨大な嘘を最初に設定することで多くの粗をそこに集約させられた。『パールハーバー』では薄っぺらいだけだった恋愛劇も、うだつのあがらない若者と機械いじり好きの美女という設定には見事に合う*1


前作では、巨大な機械生物が市街地で暴れまわる映像の素直な良さを、持てるVFX技術を惜しみなく注ぎ込んで成立させた。今作は前作で確立させた技術の延長上ながらも、夜間の香港、海底から海上、森林地帯、エジプトの砂漠と、多彩な舞台で目を楽しませてくれる。
特に森林地帯の戦闘は、味方ロボットが一人だけというシンプルなシチュエーションということもあり、あいかわらずカメラを激しく動かしつつも殺陣を楽しめる場面へしあげていた。

*1:もっとも、製作総指揮のスティーブン・スピルバーグ監督ならば、うだつのあがらない男の物語を文芸性を感じさせる域へ高められるだろう。