法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『スイートプリキュア♪』第16話 ピンポ〜ン!交換ステイでベストフレンドニャ♪

大野敏哉脚本。過去の『プリキュア』シリーズと比べて特にシリーズ構成の担当回は多くないが、あまり重要とも思えない回に登板しているので不思議と登板率が高い印象がある。
今回も、プリキュア面では新必殺技が登場して、ドラマ面でも主人公の母が帰ってきて次回へ続くのに、あまり物語が進展したように感じられない。二歩進んで三歩下がるような展開を続けているためだろうか。たぶん今回が「ニセ親友作戦」の前に放映されていても、違和感はほとんどない。


尺を使った新必殺技は作画も演出も良かったし*1、体育館の窓ごしに怪物の姿が見えるコンテ*2は巨大感がよく表現されていたが、怪物の登場が序盤同様の脈絡のなさだから、あまりアクション面は感心できなかった。
良かったのはニセ母に響が騙されて以降の圧迫感ある主観映像演出と、たっぷり緊張感ある間をとってから母の大声が届く流れ。母が登場する伏線がきちんと入っていたから、ニセ母の登場で一瞬騙されてしまったし、本当の母が登場した場面に爽快感があった。
あと、大音量で音楽を流す響の父をめぐる場面も、音が大きすぎて声が聞こえないことを素直に表現したのも良かった。ここで安易に台詞が視聴者へ聞こえるようにすると、シチュエーションの異常性が失われてしまう。

*1:作画監督は高橋晃で、原画にもスタジオダブ勢の他に大田和寛らが入っていた。

*2:今回の演出は池田洋子