絵コンテの越田知明はけっこう若手のはず。東映には『聖戦士星矢Ω』の二期目から参加。
作画監督は高橋晃だが、スタジオダブ以外にも山岡直子や河野宏之といったローテ作画監督も原画に入っている。次回予告では不安定だった作画だが、おおむね問題なし。
しかしアクションの量は多かったが、特に目を引くようなところはなく。新幹部がプリキュアを呼びよせるため変装しながら、たいした罠をしかけるでもなく、工夫なく戦ったのが良くなかったかな。河川敷にモグラ怪物が登場するなら、ずっと地下から攻撃をしかけようとして、もぐら叩きのように反撃するしかないとかすれば面白かったかも。
あと、幹部が戦闘に参加しないこともアクションにバラエティが欠ける一因だろうか。3DCGの必殺技は雑魚敵をけちらすためにしか使えないことが原因かもしれない。だとすると幹部が意欲に欠けている設定は、制作手法の事情も反映されているのかも。
今回の物語は、プリキュア周辺のさまざまな家族関係を見せていく。愛乃母の、善良で優しいふるまいが、できる範囲でおこなっているのではなく、無理をおしてのものだとうかがわせる描写が新しい。愛乃めぐみの人助けが過剰気味な背景でもあるのだろう。
あと、無理やり気味にでも変身能力を活用しているのは好感が持てる。こういう能力は意識的に描写しないと忘れられがちだから、ちゃんとフォーマット化して1年間をとおした物語で活用法をさぐりながら定着させてほしい。過去のシリーズより、今のところ収集アイテムをきちんと集めつつ印象的な使いかたをしている。
