法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『トロピカル~ジュ!プリキュア』第5話 先輩参上! 燃えろ!キュアフラミンゴ!

夏海にからんできた不良を追いはらった長身の少女。それが三年生の滝沢あすかだった。さっそく夏海やローラは滝沢にプリキュアになるよう願うが、あっさり断られる。
しかし夏海の部活申請を生徒会長の白鳥百合子がはねのけたのを見て、滝沢は部活のたちあげに味方する。部室になりそうな部屋を見つけ、大掃除がはじまった……


大地丙太郎コンテ回。OP演出の意外な登板から参加を期待していたが、演出処理は岩井隆央が担当していて、大地演出らしいハイテンポ感は弱かった。今作全体の方針なのか、表情の強烈さを強調するようにキャラクターのデフォルメはむしろ抑え目で、コンテだけで見てもあまり特長が出ていない。
アクションもうまい演出家なのだが、今回はキュアフラミンゴへの変身と必殺技に時間をとられたためか、せっかく高身長のキュアフラミンゴの格闘戦などは描写されず。冒頭で殴りかかってくる不良を滝沢が受け流す描写が少し良かったくらいか。
なお、変身と必殺技のバンク自体は非常に良かった。ひとり離れてクレジットされた芳山優の原画と思われるが*1、他のバンクが作画枚数を多くして滑らかで複雑な動きで楽しませるのに対して、デフォルメの強い絵柄から少なめの作画枚数でキビキビした動きが個性的。


脚本は、シリーズはもちろん東映作品に初参加の守護このみ。制作出身で、『アイカツスターズ!』の終盤から主に子供向けアニメで脚本を書くようになった。しっかり追っているスタッフではないので、作風などはよくわからないが。
目をひいたのはプリキュアでもないのに存在感ある白鳥。滝沢は、ぞんざいな口調やすてばちな態度をのぞいて、特に不良というわけでもないのに、対比することでアウトローと感じられる。おかげで今回は過去や本心を語らないままの滝沢が、ローラとはまた違った”悪い子”として、シリーズに類例がない印象を生みだした。
エピソードとしてはプリキュアの学校での拠点となる部室確保と、新プリキュア登場をこなしただけの段取り回だが、キャラクターが良いので充分に面白い。

*1:あまりアクションが目立たなかった『スター☆トゥインクルプリキュア』で、ひとり復古的なデフォルメ作画を展開して印象的だった。hokke-ookami.hatenablog.com