法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ハートキャッチプリキュア!』第25話 海へゴーです!いつきウキウキ夏合宿!

OP映像が少し変更、EDが主題歌映像ともに完全新規へ。アイキャッチ類も新規へ。
OPは新プリキュアが追加されるだけとは思っていたが、変身バンクの集合絵とラストカットくらいしか変化がないことは残念だった。大幅に映像を追加したものの無理やり感がただよっていた『フレッシュプリキュア!』とはまた別の問題。今後さらに新規映像を追加していくならいいのだが。
EDは3DCGも演出も良い出来で、ちょっと荘厳な雰囲気がある主題歌も悪くない。一人だけ頭身が大幅に違うキュアムーンライトが目立ちすぎているのは、良いのか悪いのか。キャラクターの描画よりも、華麗で広がりある空間を描く舞台セットが印象に残った。


本編は新プリキュアの紹介回をかねて、いつきという少女の様々な表情を見せる。えりかもいつも以上の表情を見せる。
前半までは定型的な展開だが、いつきがファッション部の輪に入る描写が続く中、仲間の輪に入れないでいる少女なおみを描いているところが面白い。新キャラクターを仲間に入れる回は下手をすると既存の仲間がないがしろにされがちなのだが*1、単に全てのキャラクターへ目配りするのではなく、あえて目配りされない心情もあること示し、キャラクターの多様性と立体的な関係性を描いた。
鬱屈したキャラクターが怪物化する今シリーズにおいて、なおみが今回の敵となるかと思わせて敵幹部との遭遇戦だけで話を終え、問題を次回へ引いた展開も意外性あった。構成が巧いというより、不意打ちの面白さといった感じ。


今回の本編演出は川田武範。プリキュアと敵幹部がそれぞれ1対1で戦っているのに、アクションが全体的にテンポ悪くて感心できなかった。今シリーズでは珍しくスピード感あるアクション演出を行ない、評価を上げていたところなのに残念だ。キュアブロッサムの「全部パンチ」のようなネタや、きちんと殺陣を動かす作画に助けられていたので、見ていられたが。一方、先述したようにキャラクター同士のやりとりはいい。場面ごとの心情変化を細かく拾い、人物のしぐさや表情に反映させていて、キャラクターアニメとして楽しめた。
小島彰が作画監督で、各キャラクターの顔立ちを個性的に強調しているところが面白い。絵柄の癖を感じなくもなかったが、同年代の少女が多数画面に登場しながら、しっかり見分けがつく。原画にはプリキュアシリーズでは久しぶりの林祐己がいた*2

*1:フレッシュプリキュア!』第24話が典型的。http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20090719/1248130472

*2:作画@wikiを見ると、OPとバンクの4カットを担当したとのこと。確かに、他の原画と3人はなれて表記していることから、本編とは別のカットを特別に担当した可能性は高いと思うが、情報源がはっきりしない。http://www18.atwiki.jp/sakuga/pages/497.html