法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『わんだふるぷりきゅあ!』第45話 ずっとずっと友達

 フクの死後、ずっと笑顔のいろはを見て、悟は思う。嘘が下手なのに、辛さを隠すのは上手だと。そこでまゆたちと協力していろはを元気づけようと考えていた。そして敵幹部トラメがみずからプリキュアと戦おうとしたことを機会に、敵味方をこえた遊びの鬼ごっこをはじめることに……


 成田良美シリーズ構成の脚本に、小川孝治の演出。冒頭で大写しした犬型風見鶏が結末で動くカットなど、背景で情感を出す演出が目を引く。全体をとおしていろはの笑顔を固めてくずさないことで、逆に不穏感を出す手法も効果をあげていた。
 フクを葬る場所として神社を途中に出したことで、トラメがもともと滅びた神社の狛犬だったと気づく結末にも唐突感がない。完全に遊びの鬼ごっこと浄化技だけで敵幹部を消す展開も、原則としてプリキュアが戦わない今作のコンセプトにそっていて違和感がない。今回は基本的にドラマにあわせてシリアスな表情のまゆが、ひとつの戦いが一段落して、いろはを元気づけるというチャンスをとらえてイタズラっぽく悟をハグにさそう茶目っ気も楽しい。
 期待以上の意外性や深いドラマがあるわけではないし、突出した傑作回というわけでもないが、今作がこれまで描いてきたキャラクターやコンセプトがかみあって、難しいテーマにとりくみながら無理なくストーリーが動いていた。いわゆるキャラクターが勝手に動くとは、きっとこういうエピソードのことなのだろう。