さまざまな選評も読んでいったが、やはり企画意図にそっていて面白いのは、ひとりかふたりしか選ばなかったエピソード。
aninado 「話数単位で選ぶ、2024年TVアニメ10選」投票集計
視聴数が減ったことで、逆に上位につけている話数は例年以上に私選したものと重なってきたが、その意味では残念な気持ちがある。
話数単位で選ぶ、2024年TVアニメ10選 - 法華狼の日記
『烏は主を選ばない』も衝撃の真相開示が2話にわたっていて、より解決編らしいエピソードが選ばれたと思えば、第12話ではなく第13話が選ばれることに不思議はない。
最多の『響け!ユーフォニアム3』第12話は、特筆して1エピソードだけ抜き出せる作品ではないと思って選ばなかったが、たしかに印象的だった。
2000年代初期はインターネットの評価においてトップを走っていた制作会社が、他の大資本や新興企業に話題性で押されていくなかで、あえて実直な作品づくりをつづけるという意思のあらわれのように感じた。
かつて原作との異動を好まない層に望まれるTVアニメ化をおこなっていた京都アニメーションが、クライマックスの展開を変更して賛否両論となったこと自体も興味深い。
こういう作品外の理由が多すぎる感想が、こういう企画において良いとはいえないと自分自身でも思うが。
5位につけている『ガールズバンドクライ』は、作品のつくり自体に驚きがあり、やはり1話だけぬきだせるものではないと思っていたので、単独でも順位が高いことは意外。
手描きアニメの単純な再現とは異なる、東映アニメーションが『プリキュア』シリーズのEDや劇場版*1で成功してきた技法でTVアニメ1クールをつくりきったかのよう。手描きアニメの再現においては3DCGで忌避されてきたなめらかな動きも目を引いたが、VTuberが映像表現として定着したことを受けての判断かもしれない、とも思った。
6位の『ONE PIECE FAN LETTER』はたしかに映像表現もすばらしかったし、本筋についていけていない視聴者としても独立したエピソードとして見やすかった。
しかし通常の30分枠とはいえTVSPのような位置づけなので評がのびなかったのかもしれない。
さまざまな意味で話題作だったし、スーパーロボットアニメを現代のアニメとして成立させる大張正己監督の試行錯誤の最新作として完成度が高かった『勇気爆発バーンブレイバーン』だが、独立して突出した回がないため選ばれていないことに不思議はない。
ただ、ざっと選評を見ていった範囲では話題作のわりには言及そのものが少ない気がした。私的に『アイドルマスターXENOGLOSSIA』を全話視聴するきっかけになったので*2、もう少しロボアニメ愛好家から票をあつめてほしかったが、そういえばこの企画では昔からリアルもスーパーもロボット描写はあまり評価されない傾向がある。
なお、今年は年内に選定理由も半数ほどつけてアップロードできたが、集計には入れられなかった。
他のSNSをやっておらず、フォームからの投稿もしなかったので気づかれなかったのかもしれない。
しかし2024年のTVアニメはたぶん年内に400話くらいしか見れていないため、積極的に参加するのはためらってしまう。