ニコガーデンでクリスマス会が開かれる。プレゼントを贈るタイミングをはかりたい悟に、贈りたい気持ちが抑えられないいろは。まゆは笑顔で身を引いてふたりだけにする。
そしてユキとこむぎが猫と犬の姿で地上にもどる。一方、地上で怪物化させるのにちょうどいい動物が見つけられないでいたザクロは、ひとり街角にかざられたクリスマスツリーに目をうばわれていた……
平林佐和子脚本、河原龍太コンテのクリスマスエピソード。青山充作画監督なので作画はゆるめだが、ニコガーデンと地上、晴天と降雪などの明暗で情景に変化と緊張感を出せている。
楽しげなクリスマス回かと思わせて、冒頭から雪が降る幼いころの汚れたユキからはじまり、さらにニコガーデンへいく描写を客観的な構図でうつすコンテでアバンタイトルから不穏感を出している。
これまで孤独を愛してきたようなネコのユキだが、人になついているこむぎより獣としては友が多い逆転がおもしろい。だからこそ身内にしか興味がないザクロに言葉をかけられる展開となる。
ただ完全にシリアスなドラマだけでもなく、ニコアニマルとサンタクロースの関係が語られて、動物の伝承的な能力はニコアニマルの影響ではないかと悟が推理したあたりは逆転的な面白味があった。