法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ささやくように恋を唄う』雑多な感想

 女性同性愛漫画専門誌『百合姫』のヒット作で、2024年4月からNUMAnimation枠で放送されたが、監督の蔡欣亞が健康上の理由で降板し、1クールに2回も総集編をはさんだ末に最終2話を放送延期。

 しかも延期中に実制作をになっていた会社クラウドハーツが消滅した。ついでに2.5次元の舞台を手がけていた会社も倒産したという。作品自体の内容は健康的だが、呪われた印象がついてまわるのが悲しい。
 クラウドハーツ親会社の水戸アニメーションが制作を継続して年内に最終2話を放送することはできたが、第11話は外国の下請けに原画から作画監督までまかせるほど人手が足りなかったことがうかがえる。
 とはいえ、難しいライブシーンも手描きでそれなりに動かしていたし、さすがに最終第12話はそこそこ絵を整えて動きもきちんとしていたので、難しい状況で関係者全員ががんばったのだろうとは思えた。


 物語としては主人公カップルが早々に両想いになって、イチャイチャ甘々の閉じた関係になったところで、周囲のキャラクターが連鎖するように失恋していき、その失恋者同士の対決で最終回をむかえた構成が物珍しかった。
 主人公カップルがドラマの蚊帳の外になったまま最終回をむかえながら、キャラクタードラマとして不思議な面白味がある。おそらく長期連載漫画できりのいいところが他になかった結果だとは思うが。