『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』の大森藤ノが原作をつとめる少年漫画を2024年7月からTVアニメ化。𠮷原達矢監督は全話脚本も手がけた。制作はアクタスと旧サンライズのバンダイナムコピクチャーズ。
日本の現代的なファンタジーらしく強弱によるランク付けが何よりも大切にされ、愛する幼馴染に会おうとする主人公の根幹もランク付けの世界に飛びこむ動機づけにすぎない。幼馴染の魅力はビジュアル以外にほとんど描かれない*1。
原作はマガジン連載だが、『ドラゴンボール』的というべきか。いや、思えば『ダンまち』も主人公のそばでささえる女神はビジュアルこそ評判をあつめたが、あまり物語の本筋にも主人公の衝動にもかかわっていないことは同じか。
一応、さまざまなかたちで競うアクションファンタジーとしては楽しかった。1クール作品とはいえ、作画は現代の水準で考えても相当に良好。とはいえアニメーションに力をいれた作品が増えた現在、ただ動くだけなら埋没しかねない。そこで、あえて主人公の決めのバトルだけ止め絵で浮かせるという出崎統に近い演出方針が面白い。
しかしクライマックス第11話の田中宏紀コンテ回が、少し前に近い枠で放映された『シャングリラ・フロンティア』第18話と比べてイマイチ。全体的に良かった序盤と比べて、多数の作画監督や山下将仁のような著名原画マンを投入しながらコンテの魅力を再現しきれていない感じもある。
またサンライズと縁が深い池田成がOPや各話にスポット参加しているが、特に個性が出ている感じでもなく、良くも悪くも一演出家に徹しているだけという印象だった。ファンからは違う感想もあるかもしれないが。
あと第3話か、主人公の乳首が色こそつけていないが二重丸で表現している濃さはビックリした。一重丸でいいと思うし、実のところセクシャルなアニメの女性キャラでも作画体制が良くなければ色トレスで色を変えた丸だけで良いと思う。
マギア・ヴェンデになってもウィルのことをずっと想い続けてるエルファリアは尊いし、順当に実力が認められ始めたウィルの成り上がりもここからって感じで物語もずっと面白いわ。
— yamΔ@$?の弟子 (@ne94ew) 2024年7月21日
ただ1点、作画クオリティ高い中ウィルの乳首だけ作画適当すぎて笑った。#杖と剣のウィストリア 3話#ウィストリア pic.twitter.com/6IeaCP56yv
*1:主人公のルームメイトとして助力する少年は幼馴染が遠隔操作している人形などのギミックが隠されているのかと思ったが、TVアニメ化された範囲では説明されなかった。