法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『HUGっと!プリキュア』第17話 哀しみのノイズ…さよなら、ルールー

クライアス社に回収されたルールーは、戦闘アンドロイドとして改修される。一方、とりのこされた野乃たちに、ルールーがスパイだったとハリーが訴えるが……


今作で初参加の八島善孝コンテ回*1。パワードスーツを着せられて外見が巨大ロボット化したルールーとの激しいアクションドラマを展開した。
描線の強弱を強調し、濃厚に陰影をつけた上野ケン作画監督らしいキャラクター作画も、ドラマチックな展開を支える……のだが、ここ数話のアイデアたっぷりな物語演出に比べると、オーソドックスに流したという印象を受けた。
それでも前半はルールーを機械的に拘束していくパワードスーツ描写から、プリキュアには珍しい無機的なアクションを見せてくれたのだが、後半で野乃が言葉をつたえながら殴りあう場面にいたると単調さがただよう。たとえば逆光で殴りあう少女たちの背景に回想をオーバーラップさせるとか、会話を支える工夫が映像レベルで描写されてほしかった。


冒頭の主人公たちのあいさつを削ったりして、特別なエピソードと期待させたため、それと比べると普通という印象にとどまる。
直属上司のパップルがルールーの改修にやりすぎと感じていたり、ハリーの台詞がクライアス社を知りすぎている印象を出していたりと、敵組織の多様性をにおわせる小ネタは良かったのだが……

*1:つい先日まで放映されていた『ドラゴンボール超』等の、基本的に少年向け枠で活躍しているアニメーターで、荒々しい一人原画が魅力的。プリキュアシリーズでは『フレッシュプリキュア!』で3回ほど演出として参加したのみ。『フレッシュプリキュア!』第17話 シフォンはまかせて!ベリーの新しい力!! - 法華狼の日記