いったん「ヴィクトリーファイア」というシリーズ序盤で活躍したマジックの存在を示唆しつつ、主人公の意識をそちらへ引っ張った異界王は、別の確度からジークヴルム同士の戦いで相打ちに持ち込んでみせる。
そして主人公がメテオヴルム同士の戦いでは負けまいと決意して見事に勝利するのだが、その隙に異界王が場を整えてヴィクトリーファイアを使用、勝利しつつも疲労したメテオヴルムは戦いへ参加できず、そのまま主人公は敗北してしまう……
『デュエルマスターズ』ほどではないが、主人公が弱いアニメだな。しかし、視聴者に情報をあらかじめ提示し、きちんと印象づけた後に別方向へ視聴者の心理を誘導し、主人公が負ける流れを納得させるバトル構成は見事だ。メテオヴルムが入っているサブタイトルも、心理誘導に一役買っている小技がにくい。スピリッツ個々の戦いに集中している主人公が場全体を視野に入れていないという問題もわかりやすく示され、ドラマの谷として充分以上に楽しめた。
しんぼたくろう作画監督の絵柄が、このアニメには合っているらしく違和感ないどころかキャラクター作画が良い意味で平均的と感じるほどだった。
あと、瞳孔が開いて倒れた主人公が、何ともいえずサンライズアニメの主人公らしかった。
