法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『STAR DRIVER 輝きのタクト』第三話 おとな銀行

ああ、Aパートのドラマで生まれた因縁をBパートのロボットバトルで決着をつけるとか、逆転の伏線をAパートの時点で引いているとか、一話完結のロボットアニメとして物凄く「きちん」としている。絵面で珍奇さを競っているから、構成の古典ぶりが際立つ。最近ここまで「きちん」としたロボットアニメは滅多になかった*1
異世界で戦うという設定も背景美術設定を使いまわせる上、大地が鏡面という絵面のおかげでロボットが滑るような動きにも説得力があり、映像としての独自性を出しつつ省力化に成功している。
ロボットバトルで時間が止まるという設定も、その主人公の戦いを見られるヒロインが1人だけ心情を変化させる描写へ活用される。しかも時間が止まったからということをことさら台詞で説明しない。これもロボットアニメとしての独自設定が物語へ活かされている上、結末描写としてもシャレている。


逆にいうと、前回と今回の完成度と比べて、第一話がロボットアニメとして今一つだったことが今では不思議。脚本家が変わったわけでもないのに。
たとえば、主人公の「いっつあぺんち!」なギャグは後の話にでも回して、ヒロインの側にいたため連れてこられただけにすれば、その分をロボット描写の尺に使えたかもしれないと見返しながら思う。


あと、ロボット作画は予告映像通りに良かったものの、Aパートの勝負を受けたバトルだから、作画の質はそろえてほしかった気がする。
バトルの前半はAパートの剣術勝負*2と同じように殺陣をていねいに見せ、主人公が逆転を始めてから影バリバリでタメツメきいたデフォルメ作画で戦う、という順序にするとか。

*1:たとえば『HEROMAN』も、ああ見えて前後との連続性が強調されており、ドラマの因縁をロボットアクションで決着づけるような回はほとんどない。

*2:こちらは予告映像で見せていなかった分、予想外に楽しめる作画だった。単純に人間のアクション作画としてもボリュームがある。