法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ハートキャッチプリキュア!』第7話 あこがれの生徒会長!乙女心はかくせません!!

演出は小川孝治。『空中ブランコ』で初演出したばかりの新人かな。逆光を多用した画面と、中央下に小さく人物を配置した構図が珍しい。
演出が若手だからか、爲我井克美が作画監督として整った画面を見せる。前回アバンタイトルのような突出した作画は少なかったものの、すみずみまで修正の行き届いた画面が素晴らしかった。ナルシストな敵幹部、主人公が恋焦がれる男装美少女、病弱な美青年と、美形キャラクターが活躍する物語にも合った登板でもある。


物語自体は、主人公の恋した生徒会長が実は女性だったという前半と、その女性が隠している内面をやや真面目に描いた後半とで、くっきり別れる。
憧れていた相手が同性だったことで落胆するつぼみに対し、えりかは慰めつつ全校生徒が知っていることと笑うのだが、後日に登校した生徒会長へ複数の女生徒が贈り物をする。さもありなん。
後半での、男装して生活しつつ少女らしい内面を隠している生徒会長というギャップも面白い……しかし、ここで「少女らしい」と表現していいものかどうか。今回の内容はジェンダーとか性の自己認識とか社会的に押し付けられた立場とか、かなり複雑な問題に踏み込んでいる。そのような生徒会長を最終的に主人公がファッション部へ誘い、まさに自分の意思で対外的な装いを選択しようという部活道の存在を提示してしめるのは、巧い落とし所だ。ちゃんと前半のファッション部廃部をめぐる騒動を受けたオチでもある。
サブタイトルの「乙女心」が指していたのは主人公と生徒会長、2人のことだったというダブルミーニングで、印象に残った。