法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『フレッシュプリキュア!』第37話 シフォンを守れ!プリキュアの新しい力!!

小村敏明演出。奥山美佳作画監督で、原画には香川久やTAPスタッフから、プリキュアシリーズで久々登板の富田与四一まで。
冒頭のダンスからして、全身が映らないバストショットなのにステップを踏んでいることを理解させる、巧みなアニメート。訓練シーンも枚数を使って良く動き、新しい必殺技バンクも長尺で端麗。


しかし物語は薄く、わかりきった結論を引き伸ばして見せられている気分だった。特訓場だのプリキュア個性だのの唐突な描写で唐突な危機に陥り、制作者の意図が見えすいてしまっている。せめて一ひねりあれば、音楽とダンスで再起する姿に王道を感じられたかもしれないが。
主人公の男友達も、特訓場を膳立てるために再登場しただけ。もう少し脇役を活用しないと、世界観が広がらない。


世界観が狭い問題は今回に限らない。シリーズの折り返し点をすぎ、敵の最高幹部まで登場したのに、話が進んでいるように感じられないのは、プリキュア周囲でこじんまりと物語が動いているためだろう。
少し前までの各レギュラーが主人公を分担する展開が面白かったことから考えると、制作者もプリキュア周囲の小さな物語を描きたいのかもしれないが、だとすればシリーズ全体で大風呂敷を広げるべきではなかったと思う。