法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『HUGっと!プリキュア』第48話 なんでもできる!なんでもなれる!フレフレわたし!

仲間たちに支えられ、キュアエールは単身でジョージ・クライのもとへ向かう。そしてふたりはたがいの思いをぶつけあうように対峙して……


坪田文シリーズ構成の脚本に、座古明史シリーズディレクターの演出、川村敏江キャラクターデザインの単独作画監督で、事実上の最終回。
プリキュアシリーズは、最後に敵首領を赦して救う、あるいは対立する存在として認めることが増えてきた。しかし、ここまで敵首領のはげしい攻撃を受け流すような、本当に癒し*1で応じる決戦は初めてだと思えた。『ハートキャッチプリキュア!』第49話*2の「こぶしパンチ」の、さらなる先を見た思い。
それでいてジョージの一撃一撃の描写に力が入っていることで、アクションエンタメとしても最低限に充実しているし、それに立ちむかい自他を鼓舞するキュアエールの信念も伝わってくる。
そして「なんでもできる!なんでもなれる!」という作品のメッセージを、作品における特別な存在に誰もがなった光景で力強く示す。話題になったキュアアンフィニへの変身は、やはり特別な存在が生まれたということではなく、いずれ当然になってしかるべきというメッセージだったわけだ。
『HUGっと!プリキュア』第42話 エールの交換!これが私の応援だ!! - 法華狼の日記
そこで人々がおこなうことは応援にとどまるが*3、対するキュアエールも向けられた応援を返すようにふるまう。
どこまでも主人公でありつつ敵を切りすてることに拒否感をもち、各話において応援的な立場でありつづけた野乃はなという少女。それゆえの物語だった。

*1:すなわちプリキュアの「CURE」。

*2:『ハートキャッチプリキュア!』第49話 みんなの心をひとつに!私は最強のプリキュア!! - 法華狼の日記

*3:シリーズを立ちあげた監督が以前にアニメ化にかかわった『ドラゴンボール』を想起させられる部分があるし、プリキュアシリーズでは映画版で観客参加コンテンツとして定番になった演出に近い。