法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『獣の奏者エリン』第35話 あたらしい命

浜名孝行監督コンテ演出。
クライマックスのイメージシーンを見て、『2001年宇宙の旅』を未だに超えられない演出家の想像力貧困を嘆いていたら*1スターチャイルドっぽい赤ん坊まで登場したので笑ってしまった。ここまで堂々とパロディに徹するなら許せる。
花の綿毛が舞い散る映像で生殖を表現するストレートさも、逆に楽しい。


あと、今回の冒頭で捕縛された王獣エクが、一気に既存の王獣リランとの交合まで進行する、展開の速さにも驚かされた。
ふりかえってみると御都合主義な感もあり、飼育された獣の持つ自由を交合する姿を通して問いかける以上の内容が何もなく、テーマ優先な作劇といえる。
ただ、見ている時は物語がどこへ着地するのか予想できなくて、物語への興味が維持されたのも確かだ。

*1:あくまで誇張表現であって、実際にはさほどの悪印象を持ったわけではない。確立された手法や設定をなぞり組み合わせることは、作品全体の質を向上させる技法として効果的。手早く仕事しなければならないテレビアニメでは、特に。