法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『コードギアス 反逆のルルーシュR2』第20話 皇帝失格

前回が通常と絵柄が違っていても上手かったことに対し、今回は平均から下がっている印象。良作画を平均的に保たせていると、下がった時の印象の悪さは半端ない*1。これでもTVアニメでは、それも色も線も作画枚数もカット数も多いロボットアニメでは、充分に合格点なのだが。


一応、展開自体に文句はない。
ただ、黒の騎士団上層部が主人公を放逐する前に、組織内の派閥争いや意見の相違を描いておけば、さらに映像の説得力が上がっただろうに、とは思った。黒の騎士団を暫定的に率いることになった扇なんて、まさに適任だと思うのだが。主人公の虐殺情報も扇が入手して、敵と会談する前から組織内クーデターを企てたりしても面白かったかもしれない。その意味で今回、主人公を能動的に放逐した事実を仲間に対しても隠したのは、優秀なはずのキャラクターが敵に乗せられたという印象を薄めるためにも良い描写だった。
もう一つ、自分が思考操作されたかもしれないという恐怖をキャラクターが強く感じる描写もあれば良かった。思考操作するような存在を追い出すことは理屈として正しいが、皮肉にも当の追い出したキャラクターほとんどが思考操作をされていない*2永遠の腕立て伏せやスクワットを命じられたチンピラや、永遠に壁を傷つけるよう命じられた少女の記録映像をシュナイゼルが会談で見せたりすれば、ギアス能力の恐ろしさを実感もって描けたかもしれないな、と今さら思う。

*1:それでいて個性が突出する作画も少ないから、作画オタからの受けは良くない。

*2:カレンが唯一、きわめて小さな一度限りの操作をされただけ。