法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『スマイルプリキュア!』第8話 みゆきとキャンディがイレカワ〜ル!?

田中裕太演出。やはり昨年からのシリーズローテ演出家では頭一つ以上抜けている。
人間と妖精というサイズが異なるキャラクターをからめる物語をいかし、俯瞰や煽りを切りかえて作るカット割りのリズムが見事。教室内で多数のキャラクターの思考が交錯する複雑な映像も、矛盾を感じさせずにこなしていた。
いつも以上にアクションでしっかり動かしているのに、それまでのコメディ描写で作画枚数を抑えた印象がないことから、リソースの割りふりも巧かったのだろう。プリキュアを拘束する技を使ったり、適度にリピート作画を使ったりと、節約もしっかりしていた。そんな中で二度と使えないだろう変身バンク一本を完璧にしあげたところも嬉しい。


今回の物語は人物の心が入れかわるパターンだが、次回予告で見せたようなコメディ調は抑えていて、どちらかというと立場を交換することで互いを知って思いやっていくシリアス調が強めに感じた。もともと幼児の奔放すぎる言動に困らされる描写をギャグとして楽しみにくいという、私個人の嗜好の問題かもしれないが。いずれにせよ妖精のキャラクターを説明しつつ、主人公と妖精の距離を縮める話としては、よくできていたと思う。
笑えたのは入れかわり描写より、魔女まわりの描写かな。敵幹部の関係性説明だった冒頭はほほえましく、CMパロディは予想外で、普通に交番で落し物を届けた日常内の非日常ぶりも良かった。