Aパートは、原作屈指の泣かせる話を実直にアニメ化。
のび太が駆けのぼる土手の高さをじっくり描写。続いて一気に広がった視界に映る光景は、平和そのもの……という肩透かしが絶妙。そして予期されたジャイアンによる暴力、のび太の葛藤も念入りで、クライマックスの盛り上げは原作以上とすら思えた。良くも悪くも藤子F作品らしかった感動台無しオチも変更され、ジュブナイル作品として真っ当な作りになっている。
総作画監督のおかげか、桜井このみ作画監督らしからぬ修正がいきとどいた画面も嬉しい。
Bパートはスラップスティックな原作を順当にアニメ化。上下に回り込み作画をしていたり、手間のかかってそうなアニメートが多かった。
背後霊が出てくる話なので『オーラの泉』ネタが使われそうな予感を持っていたが、それが的中しなかったことも良かった。いや、本気で良かった。