「実物ミニチュア大百科」は、のび太が日食について質問をくりかえしたところ、父親は匙をなげてしまう。そこでドラえもんに相談したところ、秘密道具で説明されることに……
初期原作「ほんもの図鑑」をセルフリメイクしたような後期原作を、2005年リニューアル以降で初アニメ化。コンテは助監督の木野雄。
既存の素材をつかったのか、フォトリアルな3DCGをつかって日食を描写。小学館の作品らしく資料が充実しているのか、クワガタやカブトムシ、サメやシャチもリアルに描写。
ドラえもんがいなくなってから出した機器も作画や機能がリアルで細かく、ゲームセンターの筐体機器も原作より現代的なデザイン。戦艦の作画は手描きなのに細かく、さまざまな角度で映して、回転砲塔などもていねいにアニメート。以前のアニメ化と同じくしずちゃんの風呂で浮かべてもらおうとするが、今回は玄関先で断られて原作どおり骨川家へ。
火事は概念のように火だけが出てくる原作と違って、ミニチュア家屋が出てきて発火する展開。パッと火が出る原作と、火が出るまでじっくり間をおくアニメとでテンポは違うが、それぞれに良さがある。炎エフェクト作画も良好。
しかし原作の時点での疑問点だが、子供らしい質問ぜめを父親が拒絶したり、好奇心にあふれた動物対決を遊びとしてドラえもんが非難するのは良くないと思った。アニメオリジナルで日本列島を出して巨大顕微鏡で近所を見ていく描写もあわせて、むしろ小学校の課外活動や自由研究でやってもおかしくない内容だと思える。
「ジャイアンが飛んできた」は、総監督だった故楠葉宏三コンテ演出によるアニメオリジナルストーリー。意外な風刺展開が面白かったが、コメント欄ではいくつか疑問点が指摘されている。
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