法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

今枝仁弁護士の主張で思い出したこと

ゲームを原作とする伝説のアニメで『学園都市ヴァラノワール』という作品がある。動きの悪さ、単純な絵のひどさ、意味不明な演出と、負の方向性で話題となった。
そのような作品になった経緯について、かつて作画監督がブログで説明していた。事情あって削除されたので詳細はさけるが、常識的にありえない条件で作画修正を頼まれ、それをやりとげると後々に同じ条件での仕事が続くと予想されたため、意図的にサボタージュしたという*1


依頼者の全存在をかけているのだから、可能な限り上げたハードルで闘うべき。いや、ハードルを上げると他の闘いで負担が増し、結果として救えない人が多くなる。……どちらも一理あるだろう。今枝弁護士と安田弁護士の、重大事件にかかわった経験差*2が、考えの違いを生んだのかもしれない。
購入者が低品質な商品をつかまされる可能性があるだけのアニメに対し、被告人一人一人の存在がかかっている裁判では無茶を飲むことも選択肢とすることも理解できなくはない。一方で、情状を求める方針は一審二審で成り立ったものの、量刑不適当として差し戻しされた現在は通用すると思いにくい*3
結局、外野としては無用なハードル*4を越えずにすむよう、少しでも手助けすることくらいしかできないが……

*1:条件がひどすぎて、全力で仕事にかかっても良い作画にはならなかっただろうが。

*2:http://beauty.geocities.yahoo.co.jp/gl/imajin28490/view/20071019/1192768286によれば、今枝弁護士は殺人事件の弁護を7件担当しているとのこと。

*3:「世間」が裁判に与える影響を今枝弁護士は過大視しているのではないか、と外野として思う。

*4:この場合、弁護活動に対する誤解や偏見。