法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

正当な刑事弁護に対する正当な結果として

http://www.asahi.com/national/update/1128/OSK200711280107.html

元少年弁護人を懲戒せず 光市母子殺害で東京弁護士会

2007年11月28日21時33分

 東京弁護士会は28日、山口県光市で99年に起きた母子殺害事件で殺人罪などに問われた元少年(26)=一、二審で無期懲役=の差し戻し控訴審(広島高裁)で弁護人を務める同会所属の弁護士に出されていた懲戒請求について、懲戒しない決定をしたと発表した。「いかに多くの国民から指弾されている被告であっても弁護人は被告の基本的人権を擁護する責務がある」とした。

 この裁判をめぐっては、橋下徹弁護士(大阪弁護士会)が民放のテレビ番組内で、差し戻し審で一転して殺意否認の主張をした弁護団の懲戒を請求するよう視聴者に呼びかけるなどしていた。同会によると、懲戒請求者は殺意否認の主張は意図的な裁判遅延の試みと指摘していたという。

予定調和だがメモしておく。
「殺意否認の主張が意図的な裁判遅延の試み」で懲戒請求に相当するならば、裁判で殺意を否認することはできなくなってしまうのだが……


ちなみに懲戒請求の経緯については、朝日よりも産経の記事がややくわしいのだが、あくまで説明なので特に新情報はなし。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071127/trl0711271233005-n1.htm

東京弁護士会、光母子殺害の弁護士は懲戒せず
2007.11.27 12:33

 山口県光市の母子殺害事件差し戻し控訴審で、被告の元少年弁護団を構成する各弁護士に対し「意図的に裁判を遅らせている」などとして大量の懲戒処分請求が出されていた問題で、東京弁護士会は27日までに、所属弁護士について懲戒処分をしないことを決定し、関係者に通知した。

 関係者によると、決定は22日付。被告の弁明に沿って弁護することは弁護士として正当な活動で懲戒理由に相当しないことなどが理由とみられる。

 日弁連によると、弁護団に対する懲戒請求件数は把握できただけで計7558件。

 大量請求は橋下徹弁護士(大阪弁護士会)がテレビで呼び掛けたことがきっかけとされ、インターネット上に各弁護士会に懲戒を求める書面のフォームが出回った。弁護団のうち4人が9月、橋下弁護士に損害賠償を求め広島地裁に提訴した。

ただし、何時の間にか懲戒請求は7500件を超える数にまでなっていた。
やめるように呼びかけられてから新規に提出された件数がいくつかは不明だが、懲戒請求のテンプレートサイトは今も存在し、「懲戒請求」でgoogle検索するとトップに来るほどだ。新規に出す愚か者が相当数いたのかもしれない。
ちなみに「アサヒる」エントリで橋下徹弁護士を擁護賞賛していた辞典WIKIは、懲戒請求テンプレートサイトとかなり関係が深い様子。少なくとも一部で書き手が共通しているようで、ため息が出る。