法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム00』MISSION-1 ソレスタルビーイング

〜主人公がキラ?〜
初回を見る限り、『機動戦士ガンダムSEED』シリーズを様々な形で踏襲しつつ、少しずつ地味な方向に軌道修正している様子。それが全体の統一感を出しつつ、良くも悪くも引っかかりをなくしている。


ストーリーは映像に乗せて設定を並べただけ。しかし規格外の暴力で遍在する暴力を否定しようとする宣言、その否定で『DEATH NOTE』を思い出す。初期設定だけでなく、主人公刹那が、夜神月の声優と同じ宮野真守。全く意識していないとも思えない。
そして手も足も出ずに完敗し、なおも自分の強さを主張する操縦者コーラサワーの性格や台詞が実に黒田洋介脚本らしかった。かっこつけた、かっこわるさ。
しかし他は最近のロボットアニメとして教科書的な作りで、特筆するような点はほとんどない。それが良くも悪くも引っかかりの少なさにつながっている。他のキャラクターは基本的に説明台詞か、そもそも台詞が与えられていないので、ドラマの充実感はない。30分間まるまるプロモーションビデオを見ている気分だった。


大塚健による戦闘コンテ、中谷誠一作画監督によるメカ作画は普通に安定感があって良い。予告ほどの緻密さは感じなかったが、落胆するようほどでもない。逆に予告で気がかりだった量産機飛行の背景CGが改善されていた感じがあった。
キャラクター作画も修正が行き届きつつ、安定感がある。デザイン的にもプレーンで、多少は落ちたりアニメーターの癖が出ても気にならなさそう。