法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

ネットで当て逃げ動画を公開することについて

http://benli.cocolog-nifty.com/la_causette/2007/06/post_ff00.html

1.  自動車の所有者がわかっているのであれば、その所有者に対して民事訴訟を提起すればよいことである。実際に誰が運転をしていたのかが重要であるならば、訴訟手続きの中で求釈明をしたり本人尋問をしたりという方法をとることが可能である。したがって、この所有者に関するプライバシー情報をネット上に晒すことの正当性はない。
2.  現在のネット環境では、このような映像をネットにアップロードを加えれば、この所有者に対して私的制裁が加えられることが予測可能である。したがって、このような画像をアップロードする行為自体が不法行為を構成する可能性がある。

小倉秀夫弁護士によると、動画を一般的に公開する公共的な意味はなく、私的制裁の可能性が充分に予見できるため、動画公開そのものが罪になる可能性があるらしい。私は、個人への私刑を扇動しないような注意を明言し、車所有者近辺に押しかけることを批判したりすれば、良いのではないかと思っていたのだが。
私刑の可能性は予見できるものではない、気をつければ多くの人はもっと賢く行動するはずだと思いたいあたり、やはり私は左派なのだと自覚する。……一方、情緒的な物語を好むあたりは、わりと右派と親和性ある感情を持っていると考えているのだが、これは余談。

「当て逃げ動画」ネット公開で波紋 車所有者は会社クビの件で昨日日本テレビから電話取材を受けました(私は、日本テレビから訴えられた企業の訴訟代理人なのですが、相変わらずそういうことは無視されます。)。

本題とは関係ないが、少しばかり報道番組制作の内情がうかがわれる話。巨大な報道機関において、個々の番組制作者は必ずしも同じ存在ではないということだろうか。
もしかすると、小倉弁護士は対立している報道機関からも信頼されるくらい有能という話なのかもしれない(笑)。