法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第21話 今、できることを

 ノレアによる戦闘とシャディクの反乱で半壊した学園だが、生徒たちは待機を命じられて腐っていた。しかしスレッタは前向きに人助けに動きまわり、保存食に愚痴をいう生徒へトマトをくばっていく……


 前々回と同じく大河内一楼ヤスカワショウゴの共同脚本。絵コンテは5人とかなり制作現場の大変さがうかがえる。初参加の松尾衡は『機動戦士ガンダムサンダーボルト*1を監督していたが、大河内一楼とは『革命機ヴァルヴレイヴ』でタッグを組んでいた。主人公機が物語の設定的な中心にあるため逆に活躍の場から遠ざかる問題は、最近のエアリアルに通じるところがある。比べると今作は定期的に活躍できるよう工夫されていることもわかるが。
 そのエアリアルを中核として、人々をデータの存在にするらしき技術として語られてきた「クワイエット・ゼロ」が、いきなり超巨大な機械として登場。伏線も何もなかったので唖然としつつ、いかにもガンダムシリーズっぽいなとも思う。富野由悠季監督がシリーズ初代からしばらくこだわっていた「ニュータイプ」を、物理的なSF装置として再構成した形而下ぶりがたまらない。
 そして大人によって誘導され利用される子供たちという構図に整理し、卑怯さを自覚している大人が子供たちに矢面に立ってもらう構図で次回へつづく。結末のラウダは別として、このドラマの流れならシャディクたちが挫折したまま物語から退場することに違和感がない。