法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ひろがるスカイ!プリキュア』第19話 あげはとツバサ、カラフルにアゲてこ!

 虹ヶ丘家にやってきた聖あげはは、弁当づくりからエルの育児に夕凪ツバサの鳥籠リフォームと全力をつくす。夜遅くになっても保育でつかうような絵を描いていた。しかし次の朝、聖は絵を描いていた机につっぷしたまま眠っていた……


 井上美緒脚本、門由利子演出で、ワンオペでがんばる聖を夕凪がみとめつつ、仲間としてささえるようになる物語を描く。松浦仁美作画監督で夕凪がいつも以上にかわいらしい少年として描かれていた。
 しかし聖が来る前は問題なく家事をまわせていた虹ヶ丘家が、いきなり聖ひとりが家事をひきうけて破綻する展開をするには、それまで家事を担当していたキャラクターができなくなる段取りが必要ではないだろうか。設定として赤子なエルはもともと手がかからない異世界人で*1、最近は立ち歩きも簡単なコミュニケーションもとれるので、破綻するほど家事にのめりこむ必然性もない。
 たとえば結末に少し出て机をふいているだけの虹ヶ丘祖母が、聖に家事をまかせて研究にかかりきりになる描写を序盤に入れることはできなかったか。ちょうど今回にアイテムが登場する伏線にもなるはず。
 ただ、そあえて主人公プリキュアコンビを戦闘に参加させず、キュアウィングとキュアバタフライが戦局によって協力したりひとりで耐えさせることで、助けが入ることの重要性を理解するドラマの説得力を出していたのは悪くなかった。協力して描いていた大きな壁画を、ゴミ箱の怪物が汚そうと攻撃する構図もドラマとアクションのテーマが合致している。敵が多彩な攻撃をおこなったり、空間をうまくつかうアクションも門由利子演出の良さが出ていた。

*1:鳥姿の夕凪と同列で聖がドライヤーをあてる描写を見ても、赤子というよりペットに近い。