「のび太漂流記」は、のび太がなぜか使い終わった割り箸をあつめている。イカダをつくって無人島でサバイバルしたいのだという。そこでドラえもんは秘密道具のイカダだけを貸すが、気になってついていき……
2006年に映像化した初期原作を、水野宗徳脚本と腰繁男コンテでリメイク。無人島サバイバルを茶化した短編を構成要素を変えずにひきのばし、それなりに本気のサバイバル感を出している。
原作どおり、ひらがなだけの絵本がのび太の読書レベルをあらわしていて地味にひどい。高学年向けの原作も同じようにアニメ化しているだけに、今回のような幼さを強調する原作描写をそのまま入れると原作者の意図しないところでギャグの切れ味が増す。
最後にどこでもドアで家にもどる描写を、どこでもドアを画面奥中央に配置したコンテで、のび太の主観を視聴者に感じさせたところも良かった。
「タヌ機」は2014年の再放送。今井一暁コンテ演出回なので映像は良い。力の入った背景美術が幻惑的。
『ドラえもん』怒りのポップコーン/タヌ機 - 法華狼の日記