法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』パパママおうちで大バトル/かならず当たる?手相セット

アニメオリジナルの前半と、原作初期からアニメ化した後半と。コンテ演出は腰繁男。


Aパートでは、家を舞台として家族対抗のサバイバルゲームを行う。目標は屋根の上に置いた旗、目的はマンガと酒。
普段に見なれた建物や人物で、知恵をしぼった戦いが展開されるさまは、いかにもゲームらしいアクション娯楽として楽しめる。普段は大切にしなければならない家具や窓を、自由に汚したり壊したりする爽快感もあった。
よってオチの見当もつくわけだが、わりと自然に流れていき、先に別のオチをつけてツイストしたので、印象は悪くない。


Bパートは、のび太が手相占いしているスネ夫を笑い、気にしないといいつつも悪い手相を占われたことでショックを受けたところから始まる。清水東脚本。
ドラえもんが手相に科学的な根拠はないと指摘し、それでは手相セットはどうなのかと反論され、「量子力学的に因果律を強引に……」とか何とかそれっぽい台詞をしゃべるのが楽しい。そしてのび太は調子にのって、間違えて悪い手相を描いてしまう。
初期原作らしいブラックな展開をほぼ踏襲しつつ、途中で原作とは異なる経緯から手相が的中しそうな描写が入った。その経緯自体がわりと藤子F作品らしいリアリティはあったし、因果律をねじまげるというアニメ設定からすると、これはこれで水増しではない独自な意味が感じられる。