法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』怒りのポップコーン/タヌ機

ひきつづきEDが映画の編集版。比べてみると、やはり『のび太の恐竜2006』は作画が圧倒的だ。さすがに旧作もレイアウトはいいのだが。


「怒りのポップコーン」はアニメオリジナルのはず。怒りを吸収して爆発してポップコーンをつくる秘密道具「ポップコーンハット」が登場。最初は怒りを抑えることが目的だったが、ポップコーンが美味しかったことで怒りをわざと呼びおこし始める。
神成さんのポップコーンの旨さに驚いて、怒らせようと将棋勝負をいどむドラえもん。アンキパンで入門書を丸暗記してのぞむが負けて、より高度な将棋本を何巻も暗記するはめに。それまでもポップコーンを大量に食べていたのに、アンキパンを食べる余裕がよくあったな。もちろん将棋で負けても、神成さんは一瞬だけ興奮しかけるだけで、怒りだすことはない。棋士も人それぞれだが、そりゃあそうだろうというオチにたどりついて、まあ良かったかな。
小野慎哉作画監督で、まずまず絵は整っていた。物語にもっと動きがあれば良かったのだが、後半は将棋対決だから……


「タヌ機」は原作初期から。実は原作でタヌキそっくりといわれるのは、のび太だけ。ドラえもんも似ていると笑う側だった。ドラえもんがタヌキそっくりというネタが定着したのは、しばらく後のこと。だから、秘密道具のテストでドラえもんに自身をタヌキと思いこませたのは、原作と今回のアニメとで文脈が少し違うのだ。
それはさておき、今回はジャイアンへの復讐がらみからアニメオリジナルが入る。ジャイアンに対する復讐は過剰すぎたのか、しっぺ返しを食らうことに。正直、雑巾のしぼり汁を意図的に飲ますのはやりすぎだと感じたので、見ていてしかたないかなとは感じた。
そして作画が整って細やかで良い。今井一暁コンテ演出に吉田誠作画監督で、原画に三輪修など。オーバーアクション気味によく動く。さらに迷いこむ異世界も時代劇調だった原作と違い、あたかも『千と千尋の神隠し』のような不思議な文化の異界となっている。街の広がりもよく表現され、目が楽しかった。