プール掃除の当番だった典道と祐介のふたりは、なぜか水着でプールに来ていた少女なずなと水泳をすることに。スピード勝負で勝った祐介をなずなはデートにさそう。そして典道はなずなを助けるために何度も選択肢をやりなおすことに……
同名の実写ドラマ*1を原作とする2017年のアニメ映画。シャフト制作、新房昭之総監督、渡辺明夫キャラクターデザインという物語シリーズと同じスタッフワーク。
金曜ロードショーの本編ノーカット放送で視聴した。約1時間半しか尺がないので、枠拡大もなくエンディングもフルバージョンだったようだ。
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『君の名は。』を大ヒットさせた川村元気プロデューサーの企画で、こちらも興収15憶円のスマッシュヒット。米津玄師の主題歌も大ヒットした。
しかし本編は良くも悪くも深夜TVアニメのようだった。
映像レベルは大差ないし、渡辺キャラのフェティッシュなカットもいつもの新房作品と違いが見えない*2。いくつものルートを選択して違う結末をむかえる構成も『ヨスガノソラ』『アマガミSS』『四畳半神話大系』等が思い出される。乳の大きさを話題にする男子たちも、男性視聴者を想定した深夜番組のよう*3。
古い邦画のように時間をゆったり動かす演出は嫌いではないが、いつものように無機質にデザイン化された背景美術では効果が弱い。ここはキービジュアルのような濃い背景にするべきだったのでは。
あと、打ち上げ花火のかたちが、球形か平面かの二択で論争が平行線のまま進んだことには首をかしげた。基本的には球形だが、絵や模様ができるタイプは平面的。そうした事実をふまえたほうが、最後のありえない形状の花火の驚きも増すと思うのだが。