法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

原爆をめぐる日本の行政の動きをいくつか記録

長崎県佐世保市が原爆写真展の後援を断ったとの報道が先月末にあった。
佐世保市が原爆写真展の後援断る 「政治的中立性保つため」 | 共同通信

市教委は昨年も同様の対応を取っており「政治的中立性を保つため」と説明。団体側は「県民感情と異なる」と反発している。

 主催団体の一つ、原水爆禁止佐世保協議会によると、写真展は8月8日に佐世保市内の公園で開催し、同時に隣接する商店街で核兵器廃絶を訴える「ヒバクシャ国際署名」を募る予定。

昨年にも同じ動きをしていたことが印象に残っている。
長崎県の佐世保市が反核署名活動を理由に原爆展を後援せず - 法華狼の日記
核兵器廃絶を訴えることも政治的中立性に反するとして認められない原爆写真展。
まさか戦争において日本を被害者に位置づけることだけが目的ではないはずだろうに。


もうひとつ、先月末には「黒い雨」訴訟で、原告全員に被爆者健康手帳の配布をするよう広島地裁の判決が出た。
「黒い雨」訴訟、原告側が勝訴 全員に手帳の交付命じる [戦後75年特集]:朝日新聞デジタル

 国は激しく降ったとされる大雨地域に限り、援護の対象としてきた。それ以外の地域の人に手帳の交付を認めた今回の司法判断は、戦後75年の節目に、国の援護行政のあり方を厳しく問うものといえる。

 原告(遺族9人を含む)はいずれも原爆投下時、援護の対象とはならない「小雨地域」や降雨地域の外にいたとされる人たち。

放射性物質をふくんだ「黒い雨」については同名の映画が知られているが、最近に見たところ映画自体が戦争被害の境界線のあいまいさを主軸にしていたことが興味深かった。
『黒い雨』 - 法華狼の日記
なお、総理大臣として安倍晋三氏には控訴しない判断を出してほしいところだが、記者会見でも検討中としか答えず、控訴期限まで先のばしにするようだ。
黒い雨訴訟、安倍首相は「対応検討」 控訴の判断示さず [戦後75年特集]:朝日新聞デジタル

被爆から75年を経て原告団が高齢化している点なども考慮しながら、控訴期限の12日までに判断する方針だ。

 首相は6日の会見で「広島地裁判決の内容を踏まえ、現在、関係省庁ならびに広島県広島市において、協議を行っており、これを踏まえて対応を検討してまいります」と述べるにとどめた。