法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』タイムワープでプレゼントを/クリスマスに雪を

別の季節ネタ原作をアレンジしてずらした、クリスマスSP回。


「タイムワープでプレゼントを」は、いつもサンタクロースのプレゼントに不満をもっているのび太が、今年こそはと期待する。そこで待ちきれずに時間を飛ばす秘密道具をつかうが……
ひさしぶりに異なる短編を組みあわせてアニメ化。ただ基本的には2008年にアニメ化*1された「タイムワープリール」のリメイクで、誕生日プレゼントをクリスマスプレゼントにアレンジ。「ミニサンタ」は時間を飛ばしたくなる動機を強化する描写のひとつ。
他にジャイアンのリサイタルも時間を飛ばすアニメオリジナル動機のひとつ。時間を飛ばして記憶がないはずなのに頭痛というかたちでダメージが残っている描写が笑える。しかし原作の時間を飛ばさず噛みしめるオチはクリスマスの雰囲気にも合うと思うのだが、今回のアニメではジャイアンのリサイタルに対してやっぱり時間を飛ばしたいと願うパターンのオチで、せっかくのSPらしさが減ったように思えた。
ワープを重ねていくテンポもイマイチで、「ミニサンタ」に尺をとられて失った時間の大きさを痛感する終盤の描写も短い。原作はちょっとしたトラウマ回で、リニューアル前のアニメ化でもその方向で完成されていたのに、今回のアニメ化では平凡な印象にとどまる。残念。


「クリスマスに雪を」は、しずちゃんが雪のクリスマスを望んでいることをのび太が知り、かなえてやろうと奮闘する。十二月の東京では奇跡でも起きないかぎり雪は積もらないが……
2016年にアニメ化したもの*2をそのまま再放送。しかし大杉宜弘コンテ演出作監で絵が良く、珍しい味わいの原作をよりシリアスにひきしめたアレンジも素晴らしく、あらためて見ても楽しめた。
のび太の顔に雪の影が映る描写が、事態の進展にともなって不穏感を増していく演出などが印象的。

*1:かなり良好な作りだった。hokke-ookami.hatenablog.com

*2:hokke-ookami.hatenablog.com