法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『スター☆トゥインクルプリキュア』第7話 ワクワク!ロケット修理大作戦☆

プリキュアとなった4人はロケットを修理するため、AIの指示通りに効率よく作業を分担するが、どんどん疲弊してしまう。
そんな中、掃除だけをまかされていた星奈ひかるが、ロケットのデザインを変えた姿をノートに書き留めていて……


山田由香脚本に関暁子演出、池内直子と森亜弥子が作画監督と、各話メインが女性でしめられた珍しいスタッフワーク。
特に作画監督は『HUGっと!プリキュア』でもよく組んでいたコンビだが*1、今回はキャラクター数や背景がしぼられていることで、画面のリソース不足を感じさせなかった。


物語については、敵の妨害もふくめてロケット修理で終始する趣向がまず良い。家族などの今回のストーリーには無関係な要素を自然に削って、ひとつの状況設定からメイン4人のさまざまな側面を照らし出し、同じ構図での変化を強調して、さらに周囲に影響を与えていく。
特に、天宮えれなの大人っぽさが地味に印象に残る。旧作での年長のプリキュアは、自由な主人公との対比で厳格であったり、幼い主人公を前面で活躍させるため一歩引いた性格だったりすることが多かった。天宮のように柔軟で他人を誉めて長所を伸ばそうとするタイプは意外と少ない。
ひとりひとり小さいけれど好きな内装の個室を完成させる展開も、今作を象徴している。前作とはまた違った、さりげない多様性。きっと精神的に自立しつつある幼い視聴者にとっても憧れの光景だろう。
4人が楽しく作業にむきあえる道筋が立ち、遠回りなのに作業が遅れなくなった結果から、AIが学習していくところも面白い。プリキュア側はチームワークを育みつつ、いわゆる「成長」はしていない。変化して再生するのは機械の側だ。それが4人の思いを乗せて再生したロケットとして、最後に象徴的に完成する。


そして最後にロケットは飛び立ち、加速重力でひどい目にあうギャグをはさみつつ、新たな世界へと移動して次回へ引く。
ロケットの修理が終わったところで次回に引いてもいいと思ったくらい今回は情報量が充実していた、