法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

若手アニメーターの年収についてNHKが報道

日本アニメーター演出協会JAniCAによる新たなレポート*1にもとづいている。
日本の若手アニメーター 年収低く厳しい労働環境続く | NHKニュース

全体の平均年収はおよそ441万円で、前回、5年前に行った調査と比べ100万円余り増加しました。

これは全産業の平均年収と比較しても9万円ほど上回っています。

しかし、20歳から24歳に限ると、平均年収はおよそ155万円で全産業の平均年収を100万円余り下回りました。

レポートを読むと、回答したアニメ関係者の平均年齢がそのまま上がっており*2、全体の年収の増加も高齢化によるものという可能性を感じてしまう。
逆に、2015年の調査と比べると、若手アニメーターの年収が実際に増加しているらしい印象はある。
若手アニメ制作者が年収110万円という調査報告は、過重労働や搾取が業界全体にみられることとは、また別個の問題らしい - 法華狼の日記

NHK記事が注目されたが、動画時代の若手の年収問題と、全体の低賃金問題*1について、うまく区別できていなかった。
はてなブックマーク - アニメ若手制作者 平均年収は110万円余 NHKニュース

とはいえアニメーターとひとくちにいっても、職種や立場によって年収から環境まで大きく異なる。ここは全体の平均で単純に比べるのではなく、やはり職種別の中央値*3で報じてほしい。
また、同じように手書きアニメを制作している外国との比較なども知りたいところ。中国や韓国の物価や環境が日本と変わらなくなりつつある昨今、日本の下請けをしている会社の環境は日本で元請けをしている会社より良かったりするとも聞くのだが、それが事実ならどのように成立しているのだろうか……

*1:http://www.janica.jp/survey/sympo2019_handout.pdf

*2:PDFファイル5頁。

*3:一応、レポートでは外れ値をのぞいているようなので、レポート内なら平均で説明することも理解できるのだが。