法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』ドラえもんの歌/相関図メーカー

ED映像がOP映像に。左右にテロップ、クレジットが下を流れるという、ほぼノンテロップ映像なのだが、歌詞の字幕は残っている上に、右のテロップが少しOP映像にかぶっている……


ドラえもんの歌」は、ジャイアンリサイタルの被害をふせいだドラえもんが、急に歌ってみたいといいだす。その歌はジャイアンよりひどかったが、ドラえもんはみんなに聞かせようとして……
てんとう虫コミックスではなくFFランドに収録されていた初期短編を、2006年以来のアニメ化。狂ってしまったドラえもんの表情を2006年版より原作に忠実に映像化したことで、インパクト抜群のギャグアニメになっている。
セワシドラえもんを止める方法も、スイッチのしっぽを引っぱる2006年版と違って、ビームを撃って気絶させるという乱暴さ。
アニメオリジナル要素は、ドラえもんが玄関先でみんなを連れだすのではなく、いったん誰も来ないまま空き地で待ってから秘密道具をつかったこと。ちょっとした間を置いたからこそ、ブラックな恐怖がもりあがる。
もうひとつ、セワシドラえもんを直す時、みんなを誘導したのと同型の秘密道具で昆虫を出したこと。取り出した方法に説明がなかった原作を、原作からある秘密道具でフォローした。


「相関図メーカー」は、父親に理不尽な説教を受けたのび太のため、関係性を改変する秘密道具が登場。のび太は父と親子関係を逆転してから、ドラえもんを秘密道具で追い出して……
福島直浩脚本による完全アニメオリジナルストーリーだが、最初から最後までイマイチだった。のび太が思いつきのようにつごうのいい関係性を作って、その関係性を掃除していた母がメチャクチャにするというパターンから一歩も出ない。
父との親子関係を逆転しつつ、母との親子関係は元のままで、父と母の夫婦関係もそのままだったから、てっきり母が父を孫あつかいするような展開になるかと思っていた。そうした関係性の連鎖により、操作が複雑化する問題を描けば、ずっと面白い物語になったと思うのだが……
ジャイアンスネ夫が一の子分を争うシーンの作画が良かったり、秘密道具のデザインが藤子Fらしいシンプルなラインにまとまっていたりと、映像面がマシだったのが救いか。