法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

強硬策と米国追従しかしない日本政府と、必ずしもそうではなくなった韓国政府では、後者のとれる選択肢が多いのが当然だろう

官房長官菅義偉氏が自民党栃木県連で、下記のように語ったという。
米朝会談中止「たった1カ国、支持した」 菅長官:朝日新聞デジタル

安倍晋三首相が、トランプ氏の決断を支持すると言った。たった1カ国です、世界でも。そしたらまた(トランプ氏が米朝会談について)やるかもしれない、良い感じにあるとツイートした。

日米、日米韓で協力して圧力をかけ、北朝鮮の政策を変えさせると言い続けた。批判もあったが、こうした政策によって、金正恩委員長が体制を保証してくれれば非核化すると言い始めた。
 私どもが考えていた方向に物事が回り始めてきている。安倍首相の外交努力によって、トランプ氏を引き込んで、圧力をかけ続けてきた(結果だ)。

米朝会談が再び前向きになったのも、非核化が進んだのも、日本がトランプ政権へ追従したおかげだという。
しかし前後の流れを見れば、国内向けに強硬策と主導権をアピールしつつも、トランプ政権が示した態度に後追いでしたがうだけで、主導権をにぎっているようには見えないし、強硬策をつらぬくことすらできていない。


一方、韓国は板門店での南北首脳会談をふたたびおこなった。それも今度は予告がなかったという。
南北首脳、板門店で再び会談 米朝会談へ韓国頼ったか:朝日新聞デジタル

軍事境界線上にある板門店北朝鮮側施設「統一閣」で予告なしに会談した。韓国大統領府が同日、発表した。両首脳の会談は4月27日以来2回目。調整が難航する米朝首脳会談の実現に向けて意見交換したとみられる。

先月の南北首脳会談は入念な準備をめぐらして、さまざまなメディアをとおしてアピールしたパフォーマンスだった。
文在寅氏と金正恩氏が軍事境界線を超える姿はパフォーマンスということは - 法華狼の日記
長らく軍事的緊張関係にあった分断国家の両首脳が、しっかり準備してパフォーマンスを成功させたということは、それを支える関係性ができたということ*1
前回はもちろん今回の南北首脳会談に対しても、背後関係についてさまざまな憶測がなされているが、そもそもこのような選択肢が生まれたこと自体に時代の変化を感じた。

*1:1975年にアポロとソユーズをドッキングさせた宇宙計画を思い出した。米ソの緊張緩和の象徴であり、そのまま一息に冷戦が終わるとまではいかなかったものの、時代をへてシャトルとミールのドッキングなどに技術が活用されたという。宇宙情報センター / SPACE INFORMATION CENTER :アポロ・ソユーズテスト計画