法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『キラキラ☆プリキュアアラモード』第10話 ゆかりVSあきら!嵐を呼ぶおつかい!

琴爪と剣城の集客力で、軌道にのったキラキラパティスリー。しかしファンが押しかけてきて、ふたりにパティスリーがふさわしくないと主張し、琴爪と剣城をつれさってしまう……


年長組をフィーチャーしたエピソード。対照的なふたりにおつかいをさせて、それぞれの性格を描きながら舞台となる街を見せていくというコンセプトが明確で、キャラクタードラマとして楽しかった。
特に、琴爪のファンが剣城の安易さを批判した時、とりあえず肯定する琴爪が楽しい。腹黒さを感じさせたり他者批判が厳しいプリキュアこそいたが、琴爪の性格の悪さは過去のプリキュアに見られなかったものだ。
スイーツコンテスト出品というおつかいの理由から、製菓材料になる果物が売り切れという展開につながり、琴爪と剣城のふたりだけの時間をたっぷり描くという構成もよくできている。ただ、隣町まで買いに行くという結論は安易だし*1、せめて遠出するならその姿を絵で見せてほしかった。


他に残念なこととして、登場するファン全員が同じように白眼のないキャラクターデザインで、まったく人格を感じさせないことがある。
物語のメインとなるプリキュアが5人いることから、ファン個人をほりさげるエピソードを今後に描く余裕はないのかもしれない。それでも、剣城と琴爪それぞれにつくファンの雰囲気の違いくらいは表現しても良かったのでは。
あるいは、実家が果樹園のファンがいて、果物を融通してもらう結末などがあれば、迷惑をかけるだけではないファンとの関係も描けたかもしれない。

*1:これが料理漫画なら、たとえばフルーツジュースでゼリーを作ってタルトに乗せるとか、手に入る材料だけでなんとかするところか。もっとも、児童向け料理教材と考えるなら、タルト生地をつくる以上の多くの手間をかけるレシピにできない制約も理解できる。